練馬区のまちづくり(2023年政策)
4年後の練馬はこんなまちであってほしいという将来像を描き、まとめました。
だれもが自分らしく暮らせるまちに
~縦割りから包括的な切れ目のない支援へ、地域のネットワークで支え合う社会に
1.個人の自己決定を尊重しあい、互いを認め合うインクルーシブな社会へ
- 障がい者、高齢者に寄り添った平等な情報の提供と意思決定支援を行う。
- 就労に困難を抱える人も対等に働ける場を増やし、働き方を選択できるしくみをつくる。
- 認知症への理解をすすめ、地域社会に活躍と交流の場をつくる。
- 「ひきこもりを生きる」をゆるやかに支援する。
2.障がいのあるなしに関わらず、ともに暮らせるまちをつくる
- 障害者差別解消法※に基づく合理的配慮・権利擁護を踏まえ、当事者参加で、障がい者権利条例を制定する。
- 障がいがあっても共に学ぶためのガイドラインを策定し教育環境を整備する。
- 就労支援は、共生社会(ノーマライゼーション)を見据え、共に働く環境を整える。
※障害者差別解消法…正式名称は「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」、2013年6月成立(2016年4月1日施行)、不当な差別的取扱いの禁止、合理的配慮の提供(実施に伴う負担が過重でない範囲で社会的障壁を取り除く)、環境整備(バリアフリー化、コミュニケーション支援、情報アクセシビリティの向上など)、基本方針・対応要領・対応指針の策定について規定。
3.ケアする人もされる人も大切にされる社会へ
- 医療と介護の連携で地域の暮らしを支える。
- 必要なときにサービスが利用できる介護人材や事業所を確保し、介護従事者の労働環境の整備をすすめる。
- 介護する人の人生を応援するケアラー支援条例をつくる。
- ヤングケアラーに寄り添った支援のしくみをつくる。
- 地域包括ケアシステムを持続可能なしくみにする。
- 介護保険制度を改悪させない。
4.住まいは人権―すべての人に住まいの保障を
- 住まいの確保が困難な人への相談と支援を充実する。
- 居住後に孤立しない居住支援のしくみをつくる。
5.コロナにより顕在化した課題に取り組む
- 学生や若者の貧困対策を、教育現場での支援だけでない福祉施策としてすすめる。
- 女性の貧困対策を強化する。
- 困窮者を孤立させないワンストップ相談窓口と伴走型支援を拡充する。
- 保健所機能を強化する。
6.ジェンダーの視点ですべての施策を見直す
- 女性の人権を国際基準に!ジェンダー・ギャップ指数脱三ケタを足元からすすめる。
- 困難女性支援法に則した計画を策定し、区の相談・支援体制を整える。
- DVや性暴力、性的搾取のない地域社会をつくり、被害者を守る相談体制、しくみを拡充する。
- 地域で安心して出産に臨めるよう、産前・産後ケアを充実する。
- 災害対策に女性の参画をすすめる。
7.多様性を認め合う共生社会をつくる
- 性的指向・性自認(SOGI)による差別や偏見をなくすために、性の多様性の理解を広める。
- 外国籍の住民も共に暮らしやすい多文化共生社会をつくる。
- 差別を許さない。ヘイトスピーチ、ヘイトクライム対策を進め、誰もが排除されない社会をつくる。
- 一人ひとりの人権を保障し、差別や偏見をなくすため、人権教育を進める。
8.女も男も生活者!働き方と社会のしくみを変えていく
- 世帯主中心の社会保障制度の弊害と矛盾を明らかにし、世帯単位から個人単位へシフトする。
- 会計年度任用職員や委託等の非正規公務労働者の待遇改善をすすめていく。
- 雇い雇われない新しい働き方「協同労働」を広げる。
- 長時間労働をなくし、生活時間を確保する。
子どもにやさしいまちづくりを!
~子どもは権利の主体!「今を生きる」子どもをはぐくむ
1.子どもは権利の主体!
- 子どもの最善の利益を優先し、子どもの権利を保障する「子どもの権利条例」をつくる。
- 子どもの相談・救済・権利擁護の体制づくりを確立する。
- 家庭や学校の他にも、子どもが安心して居られる居場所をつくる。
2.すべての子どもに学ぶ機会を!
- 一人ひとりのニーズに合った多様な学びの場を保障する。
- 共に生き・共に学ぶインクルーシブ教育をすすめる。
- 自分も人も大事にできる人権としての性教育を義務教育に取り入れる。
- さまざまな理由で学びが途切れても、いつでも誰でも、学びなおしができるチャンスを保障する。
- 貧困による教育格差をなくす。
- 教員の働き方改革と少人数学級をすすめる。
※インクルーシブ教育…インクルーシブ教育は、障がい児を含む「すべての」子どもたちの基本的権利、教育制度をインクルーシブなものとし、すべての児童の多様性へ考慮が必要とする教育であり、共育(差別なく、一緒に教育を受ける)と、多様性(個々の支援ニーズに対応する)の要素が不可欠。
3.子育てを一人にしない、子育ち・子育て支援を広げよう!
- 不登校の子どもたちと保護者を孤立させない。
- 子育て支援は親も子も、家族全体を地域と施策で支え虐待をゼロに!
- 産前から産後、切れ目のない子育て支援をすすめる。
- 保育士の配置基準などを見直し、保育環境を改善する。
- 障がい児・医療的ケア児※が共に暮らせる地域をつくる。
※医療的ケア児: 人工呼吸器や胃ろうなど生きるために医療的なケアを必要とする子ども。2021年9月に医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律が施行され、国や地方自治体が医療的ケア児の支援を行う責務を負うことが明記された。
命をつなぐ環境をまもる
~持続可能な地球環境と暮らしを市民とつくる
1.循環型社会 -CO2を排出しないゼロカーボンシティを実現し、気候変動ストップ!-
- ごみの発生抑制(リデュース)と再使用(リユース)を優先して2R※社会をめざす。
- プラスチックの利用を減らし、環境汚染をとめる。
- 拡大生産者責任を確立するために国や事業者に働きかける。
- みどりや水辺を創出し生物多様性を守る。
- 化学物質や放射能、電磁波などによる健康や環境への影響に考慮し基準を見直す。
- 人工的な香りの害(香害)への対策をすすめる。
- 公共施設での石けんの利用をすすめる。
※2R…当初3R-リユース(再利用)、リデュース(発生抑制)、リサイクル(再資源化)-でプラスチックを減らすことをめざしたが、リサイクルではゴミが減らないことから、リサイクルを外した2R(リユースとリデュース)に取り組んでいる。
2.エネルギー -原発0(ゼロ)。分散型・自然エネルギー活用をすすめる-
- 脱石炭・脱石油、脱原子力(原発 0)をすすめ、再生可能エネルギーにシフトする。
- エネルギーの地産地消に取り組み、「自立・分散型」「創エネ」をすすめる。
- 気候変動と温暖化防止の環境学習をすすめ、環境負荷の少ないまちづくりに取り組む。
- 太陽光や太陽熱などによるエネルギーの創出・利用をすすめる。
3.食の安全-命の源である食と農を守る-
- 農薬や化学肥料、ゲノム編集農産物など、食の安全性について消費者と生産者が共有する。
- 農業の担い手確保や税の緩和で都市農業を守る。
- 学校給食は有機無農薬の食材を使い、給食費を無償に。
- 地産地消をすすめ、都市農業を守る。
- 農地を防災・気候変動対策・コミュニティなど多様な角度から活用する。
4.都市計画-まちづくりは市民参加で-
- 人口減少を見据え、都市計画を見直し、既存の道路インフラの維持管理を優先する。
- コミュニティバスなどは福祉の視点で公共交通の充実を図る。
- ゲリラ豪雨などの大量の雨水が一気に下水道などに流れ込まないよう、都市の整備をグレーインフラからグリーンインフラへシフトする。
5.防災・減災対策は福祉と環境優先で
- 避難行動要支援者の個別避難計画は作成する福祉職の負担に対する配慮とともに区民への理解啓発をすすめる。
- ペット同行避難について地域住民の理解を得られる対策を立てる。
6.平和・憲法
- 憲法を活かし、地域から平和を発信する。
- 子どもから大人まで憲法・人権を学ぶ場をつくる。
- 多文化共生社会をめざし、地域から平和を築く。
大事なことは市民が決める
1.市民参加で政治を使いこなす!
- 参加と協働を実践するため、自治のしくみを整える。
- 情報公開条例を見直し、市民の知る権利を保障する。
- パブリックコメントは小中学生にもわかる資料を配布するなど、子どもたちの声を聴く体制をつくる。
2.市民にひらかれた区議会をつくる
- 議会の情報公開をすすめ、市民参加を広げる。
- 政治分野における男女共同参画をすすめる。
- 子ども・若者の声を議会に活かす。
3.市民活動、NPOへの支援
- 市民やNPOの活動を応援し、市民力を活かす。
- 地域に必要な機能をつくり、雇用につなげる。