部会報告(子ども部会)
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九州電力川内原子力原発所の再稼働は科学的・技術的な評価が不十分として反対する旨のパブコメを提出しました..

練馬・生活者ネットワークは、《九州電力が川内原子力発電所再稼働に向けて提出した原子炉設置変更許可申請書に対する、原子力規制委員会の審査書案(審査結果)に対するパブリックコメント》について、以下の意見を提出しました。

「九州電力株式会社川内原子力発電所1号炉及び2号炉の発電用原子炉設置変更許可申請書に関する審査書案」に対する意見書
                                                2014年8月14日
                                            練馬・生活者ネットワーク 
                                                代表 山口文江 
練馬・生活者ネットワークは、「九州電力株式会社川内原子力発電所1号炉及び2号炉の発電用原子炉設置変更許可申請書に関する審査書案」に対して、科学的・技術的な評価が不十分として反対します。
○原子力防災計画の欠落
重大事故を想定した避難計画を含む原子力防災計画が、適切で実効性のあるものかどうかを確認する法的な手続きがなく、適合性審査においても検討の対象となっていないのは重大な欠陥です。
(理由)
川内原発の避難計画は、周辺市や鹿児島県が策定していますが、風向きが考慮されていない、スクリーニングポイントが設定されていない、避難先に十分なスペースが確保されていない、地震や津波との複合災害が考慮されていない、放射能が30キロ以遠に及ぶ可能性が考慮されていない、ヨウ素剤の配布計画が不十分等々の問題があり、実効性に乏しく、これをチェックするシステムがありません。鹿児島県は、10キロ以遠の要援護者の避難計画について策定を放棄し、施設管理者に丸投げし、責任を押し付けています。

○基準地震動は約2倍の規模に P13 V-1.1
断層モデルについて、日本の地震の特性を考慮すれば九州電力が設定した基準地震動よりも約2倍の規模のものを想定しなければなりません。
(理由)
九州電力は強震動予測手法(レシピ)よりも地震モーメントを約2倍とした評価を行い、基準地震動を設定しています。しかしレシピは、世界的な地震の平均像を求める手法であり、そこで用いられている経験式(入倉・三宅式)では日本の地震の特性が考慮されていません。日本の地震の特性に基づく経験式(武村式)を用いた場合、レシピの4倍程度の地震規模になります。すなわち、川内原発の基準地震動は、少なくとも現状の約2倍の規模のものを想定しなければなりません。

○福島原発事故の検証が不十分
福島原発事故の検証が不十分であり、原因もわかっていません。津波の前に地震により機器が破損した可能性についても検証が不十分です。福島原発事故を教訓にするというのであれば原因の究明を先に行うべきです。

○圧力容器への注水放棄 P170 W-1.2.2
大破断による冷却水喪失と電源喪失により緊急炉心冷却ができない事態が重なる重大事故において、九州電力は原子炉圧力容器への注水を放棄し、格納容器の下部に水をためて、そこに溶融燃料を落とすという手順を想定しています。これでは、溶融燃料により格納容器が破損する恐れがあり、水素爆発や水蒸気爆発の危険性も高まります。また、原子炉圧力容器への注水手順の整備を求める基準にも反します。
(理由)
新規制基準は「溶融炉心の原子炉格納容器下部への落下を遅延又は防止するため、原子炉圧力容器へ注水する手順等を整備すること」を要求しています。

○汚染水事故対策なしP344 W-4.12
適合性審査では、福島第一原発で現に起きている汚染水事故(格納容器下部が破損して冷却水が漏れ汚染水となって外部に放射能が大量に拡散している)について検討しておらず、防止策もとられていません。これは、格納容器が破損した場合でも、放射能の大量の拡散を防止する策を講ずるよう要求する新規制基準にも違反します。
(理由)
新規制基準55条では、格納容器の破損に至った場合等において「工場等外への放射性物質の拡散を抑制するために必要な設備を設けなければならない」とされ、同第37条2項には、「発電用原子炉施設は、重大事故が発生した場合において、原子炉格納容器の破損及び工場等外への放射性物質の異常な水準の放出を防止するために必要な措置を講じたものでなければならない。」とあります。ところが、適合性審査においては、格納容器下部の破損による原子炉冷却水の流出と、それが汚染水という形で、施設外への放射性物質の異常な水準の放出をもたらす事態については検討されておらず、防止対策も取られていません。原子力規制委員会の組織理念では規制委員会は「福島第一原発事故の教訓に学び、二度とこのような事故を起こさないために、…設置された」とあります。格納容器下部から外部への流出という、福島での汚染水の実態を踏まえた対策を新規制基準の要求事項とし、適合性審査で検討すべきです。

○パブコメの結果について公開で審議をしてください。
寄せられたパブリック・コメントについては、公開の場で慎重に審議した上で、きちんと反映していただきたいです。意見募集を形だけで終わらせるのではなく、国民の意見をきちんと受け止めるよう要望します。
                                                       以上