部会報告(子ども部会)
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長期エネルギー需給見通し策定に向けた意見書を提出

2015年6月25日、練馬・生活者ネットワークは長期エネルギー需給見通し策定に向けた意見書を提出しました。


        長期エネルギー需給見直し(エネルギーミックス)に関する意見書
                                               2015年6月25日
                                               練馬・生活者ネットワーク
 骨子案の内容は2030年度時点のエネルギーミックスを原子力20〜22%、再生可能エネルギー22〜24%、LNG27%、石炭26%、石油3%とするものです。再生エネルギーには水力が9%程度含まれ、この大部分は大型ダムなので、これを除いた再生エネルギーの割合は13〜15%程度となります。電源構成について徹底した省エネルギーの推進と再生可能エネルギーの最大限の導入で原発依存度は可能な限り低減させるとしているにもかかわらず、15年後の時点で原子力利用の比率が再生可能エネルギーの2倍近くになっていることは原発事故の当事国として信じがたい内容です。
 また、2012年夏の国民的議論や昨年閣議決定された第4次エネルギー基本計画の意見募集では約9割が脱原発を求める意見だったにもかかわらず、反映されることなく原発がベースロード電源とされました。これは原発事故を経験し、その反省から原発に依存せず再生可能エネルギーへの転換を求めている国民を裏切るものです。
 今度こそ国民の意見が反映されることを求め、以下意見を述べます。
(1)原子力は0%に
約1年9カ月、原発が1基も稼働していませんが、2030年に20%以上にするには、現在停止している原発をすべて再稼働し、なおかつ運転期限を40年から60年に延長し、さらに建設中の3基も運転開始に持ち込まないと達成が不可能です。再稼働にあたっては「原子力規制委員会により世界で最も厳しい水準の規制基準に適合すると認められた場合再稼働を進める」としていますが、福島第一原発事故の検証結果も出されていない中での安全性の基準は信頼できるものではありません。除染土、汚染水、そして現在も山菜から基準を超えた放射性物質の検出、と4年以上経っても収束していない状況を見れば、原発のリスクはあまりにも大きく計り知れないものです。
(2)石炭火力の比率を減らす
今月おこなわれたG7サミットでは2050年までに温室効果ガスの削減を80%とし、石炭依存をゼロにする目標です。日本は温室効果ガスを2030年までに26%削減すると発表していますが、これでは2050年までに80%削減の目標は実現不可能です。しかし、低コストと安定性を理由に原発と並んで石炭火力をベースロード電源としてエネルギーの26%、1/4以上の比率にしています。世界が地球温暖化に向けて努力しようとしている中で、石炭火力の施設を増設し利用を促進することは、これまで温暖化を加速させてきた先進国としての責任を果たす姿勢が見られません。石炭火力への依存を減らし、低炭素社会へと転換するべきです。
(3)コストの見直し
電気料金の値上がりが原発を再稼働していないからと理由づけ、原発のコストが安いことを強調していますが、福島第一原発事故による損害賠償、中間貯蔵施設建設、除染など、東京電力の支援に約11兆円も使われています。そしてまだ続く除染、汚染水処理、廃炉費用、被害者の保障も含めれば今後も経費は膨らみ、決して原発は安いとは言えません。使用済み核燃料の廃棄場所も決まらず、ひとたび事故が起きれば長期間で莫大な費用がかかります。結果的に国民が負担することになるのですから社会的費用や追加安全対策費用を含めたコスト計算を示して下さい。
(4)省エネルギーは30%を目標に
3.11後、私たちは省エネに努め、電力消費量を8%削減しています。2030年までに13%の削減目標は低すぎます。今後さらなる省エネの製品開発や家庭の意識啓発により2030年のエネルギー需要見込の想定を下げ、省エネの目標を少なくとも30%に上げるべきです。
(5)再生可能エネルギーは50%以上を目標に
省エネ目標値を上げることで電力受給率を削減し、再生可能エネルギーを50%に増やすべきです。太陽光、太陽熱、水力、地熱、バイオマス等日本に豊富にあるあらゆる自然エネルギー資源を最大限活用することこそベストミックスであり、分散型のエネルギーシステムの構築によりエネルギーの地産地消が実現します。原子力や石炭火力をベースロード電源とする政策を白紙に戻し、安定供給、コスト、環境負荷、安全性「3E+S」を総合的に考えても最もふさわしい再生可能エネルギーを最優先としたエネルギー政策の大転換をはかるべきです。

 原発事故の当事国として反省と教訓をふまえ、国民の多くが望む原発に依存しない社会の構築に向けて日本が率先して努力していくことを要望します。
                                                    以上